正義の味方に愛された魔女4
私は最近この取調室に何度も入っている。
悪いことは何もしていないのに、警察のお世話になってばかりだな…。


「百合さん、災難続きで…なんとも、お疲れ様です。
無事で何よりでした」


「あの時も今日も、皆さんのお陰です。お世話になりました」


「確認しますが……、
高橋に、百合さんへの殺意はなかった、と。
藤波が一緒に来たのがわかった時点でボスへの殺意も無くなった、と。
間違いないですね?」


「ええ。彼には殺意はありませんでしたよ。
私に拳銃を向けたのは、ポーズです」


「解りました。
高橋の供述と照らし合わせて判断をあおぎます。
事件の当事者で、こんな状況なのに…ご協力、大変感謝します」


「いやいや、いつものことじゃないですか。あはは」


「……あははって、百合さん…。さ、さすがは……」


「ボスの女って、やだー!言わないでくださいよ?」


「はい、了解です。魔女さん」


げっ……今度はそっちですか。






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