正義の味方に愛された魔女4
2 純真無垢は難攻不落
隼人は、沙耶ちゃんの上がり時間に合わせることが出来る日は、必ず迎えに来る。
今日は、顔を見るなり泣き出した沙耶ちゃんに驚いて、
何だ?何があった?
と、しばしの抱擁タイム……。
《ちょっと二階、借りるから。
少し話したら帰るけど……》
どうぞ、ごゆっくり。邪魔者は店に出まーす。
「うんうん、母さんは気持ち悪くないし、俺は化け物じゃない……ロリコンでもないはずなんだけどね。
前も言ったけど、今までの彼女はこの力を知らなかったり信じなかったり嫌がったり。
本当に好きじゃなかったんだよ。
沙耶ちゃんだけだから…信じて解ってくれてるのは。
何も泣くことなんかないよ」
「でも……あの人は、綺麗で大人で…。
まだ隼人さんを好きみたいだった」
「俺の外見とステータスを…って、母さん言ってたんだろ?
沙耶ちゃんもそうなの?」
「違う!
いや、それもあるけどね。
素敵な人だなぁって、初めは外見を好きになったし、
私にはわからない難しい事をお仕事にして自分で会社を作ろうとしていて、凄いなぁって憧れもあるの。
でもそれだけじゃなくて、
荒川さんみたいに正義の味方の時もあるし、
子供な私の事を解ってくれて、合わせてくれるし色々教えてくれて、
ただ優しいだけじゃないでしょ。
こうやって、私がウジウジしてても気が済むまで付き合ってくれるし。
自分の気持ちを押し付けることが無いよね」
《隼人さんは私に、もっとこうなって欲しい、こうして欲しいって言うのを我慢してないのかな……》