毒舌男子の偽彼女
学校の王子様
登校途中の私は大好きな人の背中を見つける。
話しかけたらきっと「うざい」って言われると思ったけれど、めげずに話かけてみた。
「おはよー。玲央」
やっぱり不機嫌そうな顔をして
「お前うざい」
と言われる。
そう言われるとやっぱり傷つくな…。
彼に恋をしたのは高校の入学式のこと。
式に参加せず、桜の木の横に立っていた彼を私は偶然見つけた。
桜の木を見つめて笑っている姿がかっこよくて。
そんな彼に一目ぼれしたのだ。
でも実際は私にだけ毒舌男子。
……少しくらい笑ってくれたっていいのに。