毒舌男子の偽彼女
ドアに目をやるとそこには昨日の黒髪の彼が立っていた。
黄色い声があがる。
まぁ、かっこいいもんね。
ルックスそろいすぎだろ。
もてるよこりゃぁ。
その黄色い声がやむことはなく、いつもどおりだった。
彼が席を立った私の名前を呼ぶまでは……。
「澪。おいで。」
は?何言ってんだこの人。
黄色い声がいっきにやみ、女子全員が私をにらむ。
これ、やばいやつだ。
私は小走りに彼の手を引いて空き教室に連れ込んだ。
「なにやってんですか!?ってかなんで私の名前知ってるんですか!?もう無茶苦茶ですよほんと!!なにがどうなってこうなってるんですか!?」
はっ!いきなりすぎた?
彼は驚いたのか目を点にしている。
すみません。驚いてるのは私です。