セシル ~恋する木星~


腰に回された、山口の腕に力が入る。
セシルの胸のすぐ下あたりにまで、山口の手は届いていた。

そのまま、ふたりは駅のほうに向かって、黙ったまま歩き続けた。

だんだん人が多くなってきて、自然に山口の手がセシルから離れた。

やがて、最初に逢ったときのように、ふたりは普通に並んで歩いていた。



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