セシル ~恋する木星~
駅に着く。
セシルは駅前のスーパーで買い物をした。
この数分間で、完全に日常に戻る。
そして、何事もなかったように帰宅。
「ただいま」
「おかえり、早かったな」
息子はもう寝ているようで、夫がひとりでテレビを見ていた。
「そう? 咲子、埼玉だからあまり遅くなるとね」
学生時代の親友であり、京都の旅行会社にも一緒に就職した咲子と飲みに行く、と夫には話していた。
咲子のことは、夫もよく知っている。