セシル ~恋する木星~
第24章 もしも、別の人と結婚していたら
「今年のお正月にね、実家に帰ったとき、高校の同窓会にすごい久しぶりに行ったの」
直子が続けた。
「うん、それで?」
「前に好きだった人も来てたんだけど、もう結構禿げかけてて、ちょっと幻滅したわ」
「三十三で、そりゃあないわよね」
「うん、ちょっとびっくり。それに比べると、女子はみんな若いっていうか、あまり変わってなかったわね」
「わたしもちょうど三十のときにね、初めて高校の同窓会に行ったの。そしたら、男子の差が激しくって……。おじさんみたいな人もいれば全然変わらない人もいたわ。最後まで誰だかわからない人もいたしね」
「ね? そうよね」