セシル ~恋する木星~
「セシィにまた逢いたくなったから」
「ほんとに?」
「うん」
「わたしもね、もう一回、山口さんがパリに帰る前に逢えたらいいなぁって思ってたんだ」
「ほんと?」
「うん。だから、こうしてまた逢えてすごくうれしい」
「セシィ、素直だな」
「え?」
「思ったまま口にするし、すぐ顔にも表れるし」
「あ、あんまり器用じゃないから」
「いや、いいんだよ。そういうところ、好きだな」
「ありがとう」