セシル ~恋する木星~
そんな様子を見ていた直子が、また心配そうに声をかける。
「セシル、ほんとに大丈夫なの?」
「うん、もう落ち着いた。心配かけてごめんね」
「なら、いいけど。ちょっといつもの怖がり方と違ったから」
「そうなのよね。いつもは怖いけど、もっと平気っていうか」
「そうよね。さっきのセシルのしがみつき方、半端なかったもん。腕に痣ができるんじゃないかって思っちゃった」
直子は笑いながら言った。
「え? そんなに? ごめーん、直子。無意識」
「でも、もう顔色も戻ってきたみたいだし、大丈夫そうね」
「うん、ありがとう」
しばらく休んだあと、ツアーのみんなで記念写真を撮った。