セシル ~恋する木星~
第30章 バスローブの自由


「やっと、ふたりきりになれたね」

山口のかすれそうな声が、セシルの耳元に熱くかかる。

「うん」

迷いのない、唇への熱烈なキス。
歩道橋のときとは違い、なかなか離れない。
セシルは息ができないほどだった。

「セシィ、汗かいてるね。背中が濡れてる」
そう指摘されて急に恥ずかしくなった。

「うん。ちょっと暑い」

「先にシャワー浴びておいで」

セシルはバスルームに連れて行かれた。

「洋服が乾くまで、バスローブ着てたらいいから」

「うん」



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