セシル ~恋する木星~
バスローブ姿で、バスルームから洋服一式を手に持ってセシルが出て来た。
「そんな姿もいいねぇ」
山口が目を細めてセシルを見る。
「え?」
「ううん、なんでもない。俺もさっと浴びて来るよ。クローゼットにハンガーがあるから、適当に掛けておけばいいよ」
「うん」
リビングルームの窓からも広々とした海が見下ろせた。
船が優雅に走って行くのが見える。
バスローブ一枚だけで何も身に着けていないって、なんて自由なのだろう。