セシル ~恋する木星~
飲み込むと今度は喉の奥が、かぁーっと熱くなる。
意外とアルコール度数は高めなのかもしれない。
喉から食道へと、じんわり温かさが移動する心地よさ。
「山口さん、これ、すごく飲みやすくて美味しい」
「そう? 良かった」
山口はうれしそうに微笑んだ。
セシルは、もう一口飲んでみた。
「こんなの、初めて。なんかね、すごく幸せ〜って感じ」
そう言うと、セシルは目を軽く閉じ、両手で頬を包み込んで、うっとりと天を仰いだ。