セシル ~恋する木星~
第33章 赤ワインの魔法


セシルの目は、とろんとしてきていた。
ソファに座っているというよりも、だんだん背中がすべり落ちてきて、半分寝かけているような態勢だ。
気をつけていたつもりのバスローブの裾が、なんだか少しスース—している。

山口は、そんなセシルの上に覆いかぶさると、またワインを少しずつセシルの口に流し込みながらキスした。
そして、最後の一滴まで残らず、セシルの口に移しきった後も、キスをやめなかった。

初めて山口の舌が侵入してきた。
自分がこんなにも望んでいたことに、セシルは驚く。でも、もう止めることはできなかった。


< 172 / 201 >

この作品をシェア

pagetop