セシル ~恋する木星~


「もっと……もっと……」

いつしか喘ぐような声で、ねだっていた。
山口はわざと焦らしているようだ。

「もっと?」

「うん」

「じゃあ、セシィ、目を閉じて」

言われるまま、セシルは目を閉じて待つ。
何かで目隠しされたのがわかった。

「え? 何?」

思わず不安になって尋ねる。



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