セシル ~恋する木星~
第35章 Je t’aime (ジュテーム)
セシルは、だんだん不安な気持ちが薄れていくのを感じていた。
この初めての体験に、好奇心のほうが勝っているようだ。
それからも山口は、セシルがビクッとするたびに、「大丈夫だよ。セシィ」とか、「怖がらないで」、「すごく綺麗だよ」とか言いながら、セシルのあちこちに優しいキスを施した。
それはまるでセシルのからだに、自分の痕跡を残しているかのようだった。
山口の熱い唇はついに、セシルの一番敏感なところを捕えた。腰を動かして抵抗してみたものの、山口の力強い両腕がしっかりとセシルの両腿を押さえていて身動きが取れない。
思わず「イヤッ!」という言葉が、セシルの口から飛び出す。
でも、そう言いながらも、からだは正直に反応していた。
やがて気がつくと、セシルのからだは進んで愛撫しやすい角度を取っていた。思わず大きな声が出そうになり、セシルは右手の人差し指を強く噛んで抑えた。