セシル ~恋する木星~
「お店? あぁ、占いの?」
「ううん、チャーハンのお店」
「チャーハン?」
そう言うと、チカちゃんはちょっと考えるように左斜め上を見た。
それから、両手で包むように持っていた紙コップのコーヒーを右手だけで持ち直すと、ゴクッと一口飲んだ。
セシルは、そんなチカちゃんの様子をじっと見つめ、次の言葉を黙って待っていた。
「ごめん。よく覚えてないなぁ。適当に入ったお店だったから」
「そうなんだ」
セシルのテンションが心もち下がった。