セシル ~恋する木星~
「なんで、急にそんなこと訊いたの?」
「うん、あのね……」
母の妹である伯母のチカちゃんとは、セシルが大人になった今でも、とても仲が良かった。
子どものころは、セシルの知らない世界を教えてくれる、ちょっとおしゃれなお姉さん、という位置付けだったチカちゃんが、今では親友のような何でも相談できる、心強い年上の友達になっていた。
「セシル、何かあった?」
流石、勘のいいチカちゃん。
「うん、あのね。二月にフランス旅行が当たって、行ってきたのは知ってるよね?」
「うん。確か、京都の大学時代のお友達と行ってきたんだよね?」