セシル ~恋する木星~
「うん。そのツアーの観光ガイドさんがね、昔、中華街でバイトしてたんだって」
「へぇ〜、横浜の人だったの?」
「うん、すごい偶然でしょ?」
「そうだね」
「でね、わたしたちが食べたお店が、なんとなく彼がバイトしてたお店なんじゃないかな〜って」
「そうなの?」
「ほんとは、どうだかわかんないよ? でも、なんとなくね、そんな気がしたんだ」
「ふーん。セシル、昔から勘が鋭いから、ほんとにそうかもね」
「うん。だったら、ちょっと面白いでしょ?」
「そうだね」