セシル ~恋する木星~


「そのときの赤ちゃんがね、いつかまたセシルのお腹に宿りますよって」

「え? どういうこと?」

「だから、今世のセシルの息子が、そのときの赤ちゃんだって」

「えーーーー?」

「なんだかゾクゾクしちゃうでしょ?」

「…………」

セシルは言葉を失っていた。
見開いた大きな瞳からは、涙があとからあとから零れ落ちた。



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