セシル ~恋する木星~


パレードは二周したのだが、二周目も「竹馬の君」はセシルの前で立ち止まり、投げキッスを交わしあった。

セシルのオーバーアクション気味のノリの良さが、彼の目を引いたのだろう。

とても見ごたえのある二時間だった。
セシルも直子も、両手に抱えきれないほどいろいろな花を受け取った。

中でも、ミモザが一番多い。
セシルはミモザの花束の中に顔をうずめてみた。
さわやかな甘い香りに包まれて、この上なくしあわせな気分。

受け取れなかった後ろのほうの席の人にも少しプレゼントし、残りをホテルに持ち帰り、部屋に飾った。



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