セシル ~恋する木星~
第10章 俺からのプレゼント
山口は運転して来たのでアルコールの代わりに、ずっとウーロン茶を飲んでいた。
セシルと直子は、勧められるままビールを飲んでいた。
かなりお腹もいっぱいになり、酔いも回りかけていた。
「すいません、ちょっとお手洗いに……」
セシルが立ち上がると、直子も「わたしも」と、一緒に席を立った。
「この奥だから」
「はい」
立ち上がるとき、一瞬ふらっとセシルの足元が危なくなり、山口がさりげなく支えた。
「あ、すいません」
「大丈夫?」
「はい」
「彼女、連れて行ってあげてね」
山口が直子に声をかけていた。