セシル ~恋する木星~


部屋に戻りながら、直子が言った。
「それにしても、ベンツで送り迎えしてくれるなんてすごいね」

「え? ベンツ?」

「うん。山口さんの車」

「あぁ、あれ、ベンツだったの?」

「そうよ。セシル、見なかったの? あのマーク、ベンツよ」

「わたし、車のこと、よくわかんなくて……。高級そうだなとは思ったけど」

「そう……。山口さん、雰囲気も昼間と違ってたね」



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