セシル ~恋する木星~


「セシル、ほんと今日は元気ないね」
隣の席の直子も、心配そうに言った。

「そう?」
なんとなく誰とも話したくない気分で、セシルは曖昧に答えた。

そして、それからは、ぼーっと窓の外を見ていた。
直子はそんなセシルを気遣ってか、それ以上話しかけなかった。

渋滞することもなく、すんなりバスはシャルル・ド・ゴール空港に到着。
ツアーのみんなは、それぞれドライバーにお礼を言ってバスを降りた。



< 55 / 201 >

この作品をシェア

pagetop