セシル ~恋する木星~
第15章 必然の再会
そして、土曜日。
山口とは、横浜駅前のホテルのロビーに、午後五時の待ち合わせだった。
セシルはなんとなく落ち着かなくて、家を早めに出ていたので、四時半過ぎにはもう着いていた。
ドキドキしながらロビーをざっと見回す。まだ山口の姿は見えなかった。
少し様子をうかがっていたが、あまり早くから待っているのもどうかと思い、とりあえず化粧室へ行く。
鏡を覗き込みながら、最終チェック。
旅先という非日常では二十代のOLに見られたかもしれないが、少し前まで洗濯物をたたみ、晩ご飯の用意をしてきた自分の今の姿は、山口にはどう映るだろうか。
日常をひきずったまま出て来てはいないつもりだが、果たしてどうだろうか。
少し心配になる。