セシル ~恋する木星~


真正面に座っていると、なんだか緊張する。
セシルは手に持っていたハンカチで、思わず顔をあおぐ。

「今日はちょっと暑いね」
そんなセシルを見て、山口が言った。

「そうですね」

四月上旬にしては、少し蒸し暑かった。
セシルは、あおいで香りをかいでいるうちに、だんだん落ち着いてきた。



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