セシル ~恋する木星~


入口から一番遠いカウンター席へと案内される。
カウンターは変形のコの字型になっており、ふたりの座った席は一番短い辺で三席だけだった。
一番奥にセシルが座り、隣に山口、そしてその隣の席に山口が自分のバッグを置いた。

「ビールで、いいのかな?」
メニューを見ながら、山口が尋ねる。

「はい、とりあえず」

「……ってことは、結構飲めるほう?」

「いえ、そんなでもないですけど」

「そういえば、この間立ち上がったとき、ふらついてたもんな」

「そうなんです。大丈夫なようで、案外弱いのかも」



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