セシル ~恋する木星~


「わたし、ほんとに弱くて」

「ん? 何が弱いの?」

「耳元で言われると、ほんと倒れちゃいそう」

「大丈夫さ、倒れたら俺が抱きかかえる」

「そんなこと……」

「ん? どうした?」

「どうもしない……」

セシルは、からだのゾクゾクが治まらないまま、目を伏せた。

そんなセシルを試すように、山口はセシルの左耳に、さらに追い打ちをかける。

「セシィ、綺麗だよ」

「……ぁん」

「セシィ」

「ねぇ、セシィって?」
セシルは、ふと気になって尋ねた。



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