唄姫
向かい合わせに座る


僕と香保里サン


“カラン……”
と、冷たいお茶の中の氷が揺れる


しばらくは、下を向いたまま、黙っていた………




「……イツキ君…」

「…何…?」

「本当の事を………、話すね……」

「……うん」

これから起こる出来事が、想像出来なかった僕は、両手をしっかり握った


「…私が、この町に来た理由……。
それは……、イツキ君の……お父さんなの………」




僕の頭では

理解が出来ない…


「私は……、貴方のお父さんに助けられて、ココに来たの……」



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