唄姫
毎日、励まされて

毎日、話を聞いてくれた


そんな父親の事を


“愛してしまった”
と………


「ごめんね……、イツキ君…、貴方の家族に迷惑をかけて……」




泣き叫ぶ、母親と

『俺が悪い…』とだけ言った、父親


僕は、居心地が悪かった日々を、思い出していた


不思議と


父親に対する嫉妬はない…



「貴方のお父さんは、
『自分が生まれたこの町なら、癒されて、新しい人生が始められる』と言ってくれてね……」

「………」


僕は


聞いている事で


精一杯だった………



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