唄姫
「…私、この町を……出るね………」


「………行かない………で……」


やっと言えた言葉


「……ありがとう………、イツキ君は……、素敵な大人になってね………」



僕が


どんなに


好きでも……


ダメなんだ………



香保里サンの


心には……


存在出来ない………




「俺……、帰ります……」


「イツキ君や、この町の人達に……、会えて……本当に良かった」


香保里サンは


いつもの笑顔で


あの声で


僕を

送り出してくれた。



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