唄姫
「ココに連れて来たのは、確かに俺だ……」


「よく、そんな事が……言えた…わね……」

母親は、力なく言う


「言い訳に聞こえるだろうが……、彼女と俺は、お前が思う様な事は、一度もないんだ………」

「そんな事、信じられないっ」

また、母親の目には、涙が溢れる


「信じなくても良い……。だけど、本当なんだョ………」



僕はもう、何も言う事が出来ない



僕の好きな香保里サンは


僕の父親が好きで



僕の父親は………




やっぱり、家族が大事だと………



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