唄姫
日曜日は


まだ看板がそのままの

raveの前を通り



海に行く



波乗りをしてる時だけは

何も、考えなかったら……



『あれっ?』

砂浜に、父親の姿



「よぅ…」

「何?珍しいじゃん……」

「お前、上手くなったなぁ…」

「親父もやった事、あんの?」

「挑戦した事はあるけどなぁ…」

照れくさそうに言う父親




「ねぇ…、
親父は…香保里サンの事……、好きだった?」


「そうだなぁ……、ドキドキしたなぁ………」


「そっかぁ……」



この会話を最後に


僕達は



香保里サンの話を



しなかった………



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