唄姫
店の中には


僕と父親と香保里サン………


「親父、帰んねーの?」

「…あぁ、そうだな」

「飲んでる場合じゃねーだろ?オフクロと話さないとっ」



“…カタン”

香保里サンが

一瞬、止まった気がした



「……じゃあ、帰ろう……」


僕は、父親と一緒に


raveを出た



無言のまま、家に向かう


何か話そうかと思ったケド……




香保里サンの事が、気になって……



母親の話をした時の、あの雰囲気



「ありがとう」

と、言った香保里サンの顔が


こわばっていた事………



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