唄姫
いつも、笑っていた


そして

あの声で歌う……



でも、

時に、哀しい顔をする香保里サン



僕は、その理由が気になって


仕方がない………



「香保里サンは……、どうして……哀しい顔をするの……?」



「人を好きになるとね……、切なくなるのョ……」


「香保里サンは………、好きな人が……居るの……?」


「………いるョ…。
好きになっては、いけないのに………」


「……僕は……、香保里サンが……好き……だョ……?」


僕は、

自分で口にした言葉に

驚いた


「……ありがとう…」

香保里サンは


笑顔で、そう言った。


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