天狗に愛されて


『なんでここに居るの。』


「この妖の量…尋常じゃないからな。
朝から依頼がひっきりなしだ。

俺は原因の元を断つ為にここへ来た。」


〈ここの事は誰に聞いたんダイ…?〉


「書物にそれらしき事が記されていた。
穴を封印しているとかなんとか。」


バチッ!


「先ずはこの結界をどーにかしねぇとな。」


手を翳(かざ)すと、
まるで拒むかのように弾かれる。


「お前も手伝え。」


『…一々上から目線なのね。』


塞の手からチョークを取り、陣を描く。

チョークは普段学校とかで使われてる
何の変哲もない物。

力があって、
手順通りにすれば結界も解ける…筈なんだけど


『……どーなってんの?』


まさかの結界が解けないパターン。


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