天狗に愛されて


それに家って言うよりも屋敷の方が正しい。


『んんぅ〜…行きますか。』


無駄に長い廊下、
畳の匂いがして少し古風っぽい。

ここは大昔から妖祓いを生業とする神木家。


今となっては視える人も少なくなって、
その存在を知る人や信じる人は少ない。

でも…私達はこうして存在し、
日々妖と交流したり封じたりする。


妖力が強い人は依頼されて出向いたり、
新術の開発とか様々な事をやってるけど…。


『私にはそんなの向いてませ〜ん♪』


だって、産まれて一度も祓った事ないですもん!


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