天狗に愛されて


バンッ!!


『ハァ……ハァ…ハァ…ッ……うぅッ!!』


部屋の扉を乱暴に閉め、
そのまま床に座り込む。


なんで、なんであんな目で見られなきゃ……?
どうして私だけ!!


〈ユズリハ……。〉


『ごめん…蛇太郎。
急に走ったりして、ビックリしたでしょ?

ほら!お礼にお菓子いーっぱい食べて!!』


無理矢理に笑顔を作ってお菓子を並べる。


〈泣きたいなら泣いても良いじゃないカ。
君はいつもそうやってヤセ我慢するナ……?〉


泣きたいよ?

大声出して泣き喚いて、アイツらに訴えたい。


『でも、私は自分を憐(あわ)れむのは
止めるって決めたの。

あ!お菓子全部食べちゃ駄目だからね?
学校の妖に持って行かなきゃ!!』


〈ご苦労なこっタ……。〉


だって、休校になってから
一度も持って行ってないんだもん!

きっと…あの妖達は心待ちにしてるから。


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