天狗に愛されて
『本家の人に「封印したのは譲葉です」って
言って、何故か私が白い目で見られた事?
あんな事なんて全然気にしてないから。』
「……そうか。」
本気で悪いと思っているのか
少し無言になる塞を見て私も戸惑う。
何よ…アンタだって私を突き放したくせに。
「気を付けて行って来いよ。」
『塞!』
本家の屋敷に戻ろうとする塞を引き止めた。
『えっと…こ、これありがと。』
チャリッ…
ピアスを一度触って塞を見る。
「おう。」
なんだか気恥くなって早足に外へ出た。