天狗に愛されて
『分かりました。』
おじいさんの手を解き、
また角羅山の方向に身体を向ける。
「お嬢ちゃん!?」
霊山なら普通に入れない筈。
『この辺りに神社とかってあります?
小さいの大きいのとか関係なく。』
「じ、神社かい?
この山の天辺にあるのは知ってるが、
麓(ふもと)にはないのぉ……。」
珍しい…。
本来なら霊山の麓に神社がある筈。
それが無いって事は……
パンッ!
『出ませ、出ませ隠れ道。
この身は神のものであり、不浄ではなかれ…。
我を誘い、導き給え。』
拍手をし、呪文を唱える。
すると、ゆらりと一部の空間が歪み
道が出来ていく。
『ビンゴ☆』
やっぱり、隠してあった。