天狗に愛されて
「な、なんじゃこりゃ!!」
『え、視えるんですか?』
ビックリなんですけど。
にしても…この道からして不気味。
『鳥居の道……か。』
ズラリと無数の鳥居が並んでる。
なら社に祀られてるのはお稲荷様。
狐神は不浄を毛嫌いするから、
穢れをほっとく訳がない。
鏡の神様みたいに忘れられて消滅したか、
浄化出来ない程の強敵か。
『どっちにしろ祓うしか方法がない、か。』
話し合いで済めば良いのに。
カツン
淡い希望を抱きながらも鳥居を潜る。
「お嬢ちゃん!」
『あ、この道には入れませんよ。
普通の人間にはね。』
引き止めるおじいさんの声を無視して
妖気が強く感じる道を突き進んだ。