天狗に愛されて


『優しい…か。』


私には貴方の方が優しいと思う。

こんな山奥で守り、
そして…時が経つと忘れられ、
信仰心も薄れ、最後は消滅した。

それでも〈ありがとう〉なんて。


「死んじゃったの……?」


『……ううん…自然に還っただけ。
人が願えばきっと、また…。』


鏡を握り締める。


でも…もう、こんなの視たくない……ッ!!


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