天狗に愛されて


『梨花ちゃん…。
私はまだやる事があるからここから逃げて。』


「お、お姉ちゃんも逃げようよ!」


『……ハァ…。』


子供は扱いに困る。
……子供でなくても同じか。


『視えるなら分かるでしょ。
私達を攫った妖がいかにタチが悪いか。

死にたくなかったら言う事を聞きなさい。』


梨花ちゃんの表情が曇り、素直に頷いた。


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