天狗に愛されて

四方の社



梨花side


「ハァ……ハァ!!」


お姉ちゃんに貰った枝を握り締めて道を下る。


お姉ちゃん…本当に大丈夫かな……。


言われるがままに走ったが、
今頃になって焦り出す。


とぉーりゃんせ とぉーりゃんせ


「な、何!?」


行きはよいよい 帰りは怖い


耳を塞いでも聞こえるその声に足がすくみ、
座りこむ。


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