天狗に愛されて
〈……「お姉ちゃん」…?
まさか、譲葉って名前じゃねーよな。〉
「え、知ってるんですか!?
お願い!お姉ちゃんを助けて!!
私を逃す為にッ!!」
〈……チッ…カー吉…………。〉
〈後で幾らでもお叱りは受けます。
ですが、今はお急ぎを。〉
〈…………。〉
バサッ!!
その緋翼のお兄ちゃんは
難しい顔をして飛んで行った。
〈人の子よ。
ユズリハ様はあの御方に任せれば良い。〉
「うん……。」
カー吉さんが道を先導してくれて
私はゆっくりと下る。
お姉ちゃんの無事を祈りながら。
梨花sideEND