天狗に愛されて
ジュル…
『うッ……あぁ!!』
神経が研ぎ澄まされ、
血が抜けていくのが分かる。
〈アァ……力が、力が戻ル!!
もっと、もっとチョーダイ!!!〉
ガリッ!!
『ッ!?』
牙が更に深く喰い込み、地面に血が落ちて行く。
このままじゃ死ぬ!
『霊地に眠りし者共、我が血を糧に力を貸せ。
邪気纏いし者を弾け!!』
バチッ!!
〈ギャア!?〉
なんとか覚の拘束から逃れ、
距離を置く事が出来た。