天狗に愛されて


〈なきむしちゃん…首、どーしたの?〉


横目で見られ、視線を泳がせる。


『こ、これは……す、吸われて…。』


はい、ごめんなさい。
そんなに呆れた顔で見ないでよー!!!


〈それとその鏡。
微かに妖の匂いがするんだけど?

なーんで
そんな物を持ってんのか聞きたいなぁ。〉


い、言えない。

〈役に立つかもしれない〉って言われて
『持って帰りました!てへ(´>∀<`)』なんて。

絶対、怒られる!!


〈アハハ!すっごい動揺してるネ??
どうやら持って帰ったらしいヨ?〉


覚がお腹を抱えて爆笑してる。


〈へぇ〜……。〉


『ゔ……。』


そっか、覚って心が読めるんだった!

自分で言っといて考えずに戦うって
不可能じゃない……?


< 163 / 316 >

この作品をシェア

pagetop