天狗に愛されて
『あれが…麒麟……。』
雲の隙間からチラリと視えた神獣。
馬に近い嘶(いなな)きが聞こえ、
それだけで大気が震える。
〈おーい?
もしかして、麒麟ちゃんにビビった?
答えてくんなきゃつまらないヨ。〉
雲を運ぶのは風。
古来から風は自然の中でも役割を多く担う。
天と結ばれた盟約…。
〈さぁ、オレを怒らせたからには
この状況をどーにかしてみなヨ?
その立派な角が避雷針にならなきゃ良いネ…?〉
助かる筈がない…格が違い過ぎる。