天狗に愛されて
天狗side
〈麒麟ちゃんの雷撃受けて生きてるなんて
すんごい生命力の持ち主だネ?〉
もう、消えかけだけど。
〈……まさか…あの噂が本当だったなんてネ…。
でも、アタイから守ったって
あの子の運命は変わらなイ……!
どうせ…死ぬんだヨ!!〉
ドッ!!
刀で角を折ると、
覚の身体が一気に灰の様になり風に流される。
フフフ……せいぜい今の内に足掻くんだネ。
アンタが幾ら頑張ったって、
運命からは逃れられないんダ。
アタイら妖はそれを延々と嘆くモノなのサ。
〈その為に俺が居る。〉
刀を鞘に収め、邪気を風で吹き祓う。
地獄で見物させて貰うヨ。
最後に嘲笑う覚の声が聞こえた気がした。
天狗sideEND