天狗に愛されて


『天狗……。』


覚を消滅させ、
充満した邪気を吹き祓うその後ろ姿は
どこか悲しげに見える。


〈なっきむしちゃ〜ん!無事かい!?〉


『え、うん。』


あれ?
さっき迄は眩暈もしててヤバかったのに。


『元気ピンピンなんですけど……?』


〈傷見せてねぇ〜?〉


ガバッ!


服を思いっきりズラされ、肩が露出する。


『ギャー!スケベーーー!!!!』


暴れても振り払えなかった。


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