天狗に愛されて
天狗side
〈…………。〉
なきむしちゃんの背中を見送る。
〈宜しかったのですか?
あんな事を言って。〉
〈カー吉、直ぐに警護を増やせ。〉
〈突然…ですね。
何か理由があるのですか?〉
カチャ
懐にある一つの小瓶を視せる。
〈何に視える。〉
〈……神水にしか視えませんが?〉
〈俺は邪神水と神水を一つずつ持ち歩いてた。
なきむしちゃんがドジった時の為に。〉
掌にある小瓶を握り締める。
〈なきむしちゃんは…覚醒し始めてる。〉
運命に縛られた魂。
でも、変えると誓ったんだ。
天狗sideEND